ニュース

特発性膀胱炎の猫から採取され細菌培養が陰性の尿サンプルの次世代シーケンシング

投稿者:武井 昭紘

人医療において、尿中に含まれる微生物の多様性は膀胱炎の発症と関連しているという。一方で、女性に良く見られる膀胱炎の発生メカニズムの全容は詳しく分かっていないのが現状である。この事実は、猫の特発性膀胱炎に類似していると考えられる。特発性。いわゆる原因不明の猫の膀胱炎と。

冒頭のような背景の中、イタリアの大学らは、特発性膀胱炎と診断され、且つ、標準的な細菌培養(尿がサンプル)が陰性の猫から尿を採取し、細菌叢の遺伝子学的解析(16S rRNAの配列解析)をする研究を行った。なお、同研究における採尿方法は膀胱穿刺だとのことである。すると、全例で結果が陰性になることが判明したという。

上記のことから、猫の特発性膀胱炎には細菌が関与していないことが窺える。以前から言われてきた事が改めて証明された形だ。よって、今後、別の視点から当該疾患を分析する研究が多く計画され、発症メカニズムが解明されることを期待している。

猫の特発性膀胱炎に細菌が関与していないということは、抗生剤療法の対象外であることを意味していると思います。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38181480/


コメントする