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イングリッシュ・コッカースパニエルが抱える健康問題を統計学的に解析した研究

投稿者:武井 昭紘

イギリスにおいて、イングリッシュ・コッカースパニエルとプードルをかけ合わせたコッカプーというデザイナードッグの子犬は、国内で2番目に高い人気を誇るという。そのため、彼らが将来抱えるかも知れない健康問題について把握することは、非常に重要だとされているのだ。また、このような中でイギリスのケネルクラブはイングリッシュ・コッカースパニエルのブリーダーに対して、眼科疾患と股関節形成不全を含めた遺伝子検査を推奨している。果たして、コッカプーの子犬の親となるイングリッシュ・コッカースパニエルが抱えやすい健康問題は何であろうか。やはり、眼や関節のトラブルなのだろうか。

 

そこで、王立獣医科大学(Royal Veterinary College、RVC)は、大規模臨床データベースVetCompass™に登録されている、且つ、2016年の時点で一次診療施設を訪れた犬を母集団として、①イングリッシュ・コッカースパニエルと②他の犬種の健康問題を明らかにする研究を行った。すると、②は33万匹を超えるデータで構成され、その中に7800匹の①が含まれており、以下に示す事項が明らかになったという。

◆①が抱える健康問題◆
・②に比べて①が少なくとも1つの健康問題を抱えるリスクは1.12倍高かった
・最もリスクが高いものは「耳だれ」であった(約15倍)
・これは垂れ耳であることが要因だと推察される
・次いでリスクが高いものはKCS(約8倍)、筋骨格系の痛み(約7倍)、皮下腫瘤(約5倍)であった
・最もリスクが低いものはアレルギー性およびアトピー性皮膚炎であった(約-7倍)
・次いでリスクが低いものは脱毛症(約-3倍)、趾間皮膚炎(約-3倍)、乳歯遺残(約-3倍)であった

 

上記のことから、イングリッシュ・コッカースパニエルは外耳炎(膿むくらいの強い炎症)になるリスクが非常に高いことが窺える。また、眼のトラブル、整形外科疾患も要注意であることが分かる。よって、同品種、そして同品種の血を受け継ぐコッカプーの健康診断では、耳、眼、関節、筋肉に重点を置いた臨床検査を実施することが望ましいと思われる。

RVCは、皮下腫瘤に関して、乳腺腫瘍に特に気を付けるべきだと述べています。

 

参考ページ:

https://www.rvc.ac.uk/vetcompass/news/new-research-highlights-high-risk-of-ear-and-eye-disease-in-english-cocker-spaniels-in-the-uk


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