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800匹以上の高齢犬の認知機能と彼らが抱えている病気との関連を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

犬の認知機能不全は、加齢は勿論のこと、活動性や腸内細菌叢の変化、また各種疾患によって発症リスクが上がることが知られている。つまり、何らかの不調・病気が当該疾患と深く関連しているのだ。では実際のところ、オーナーおよび獣医師が直面する不調・病気とは一体、何であろうか。愛犬の認知機能不全を予防する上でも、それに対する準備・心構えをする上でも、現状を知ることは大変重要である。

冒頭のような背景の中、ヨーロッパの大学らは、予想される寿命の75%の年齢に達した犬800匹以上を対象にして、彼らのオーナーに認知機能の評価と健康問題に関するオンラインアンケートを依頼する研究を行った。なお、同研究では、Canine Cognitive Assessment Scale(CCAS)という評価スケールが採用されている。すると、筋骨格系、神経系、消化器系、皮膚科のトラブルが犬の認知機能に影響を与える病気の候補として挙がり、筋骨格系と神経系は強く、消化器系は中程度に、皮膚科は弱く影響していることが判明したという。

上記のことから、該当するトラブルに悩む犬は認知機能不全に陥るリスクを抱えていると考えられる。よって、筋骨格系、神経系、消化器系、皮膚科の治療を受ける高齢犬では、認知機能に関する定期健診を継続することが望ましいと思われる。

本研究の対象となった犬の健康問題については、獣医師による診断が下されているものが含まれるとのことです。

 

参考ページ:

https://www.mdpi.com/2076-2615/13/13/2203


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