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好酸球性肉芽腫と診断された猫のデータを解析した研究

投稿者:武井 昭紘

好酸球は、寄生虫感染症などに起因するアレルギーに呼応して活性化する白血球で、アレルギー反応や炎症反応の軽減に関与している。しかし一方で、組織の腫脹や肉芽腫形成を促進する化学物質を放出する性質もあるのだ。そこで、疑問が浮かぶ。猫の好酸球性肉芽腫には、何らかのアレルギーまたは寄生虫感染症が関わっているのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、ヨーロッパの大学らは、好酸球性肉芽腫と診断された猫30匹の診療記録を解析する研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆好酸球性肉芽腫の猫の特徴◆
・約87%の病変が皮膚に分布していた
・約13%の病変が皮膚粘膜接合部に分布していた
・春と夏に病変は拡大した
・ノミに曝露されることが発症要因であった

 

上記のことから、ノミが活動的になる温かい季節に好酸球性肉芽腫が悪化し、その発症にもノミが関わっていることが窺える。よって、今後、ノミ予防の有無でグルーピングした猫の母集団を対象にした研究が進み、ノミ予防で好酸球性肉芽腫の発症を抑えられるか、また、ノミ駆除で好酸球性肉芽腫の症状が軽減されるかについて検証され、新たな予防法・治療法が確立されることに期待している。

本研究には、7か月から13歳齢の猫が参加したとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38130457/


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