様々な動物種が訪れる動物病院では、その種に起きる一般的な健康問題を把握し、病気の診断・治療・予防に活用することが重要とされている。そのため、一定の地域や特定の条件に該当する動物が抱える健康問題を統計学的に解析する研究が多く報告されているのだ。そこで、今回は、スウェーデンで暮らす猫を対象にした研究を紹介したい。
なお、その研究はゲルフ大学らが発表したもで、ペット保険に加入済みの純血種と交雑種の猫の健康問題を比較することが目的だったとのことである。期間は2011年~2016年の5年間。55万件の症例数、18の品種、24の病気に跨るデータが集積されたという。すると、以下に示す病気において、交雑種よりも純血種の発症リスクが高い、あるいは、純血種よりも交雑種の発症リスクが高いという結果が得られたとのことだ。
◆交雑種よりも純血種の発症リスクが高い病気◆
・メスの生殖器疾患
・心疾患
・呼吸器疾患
・免疫疾患
・術後合併症
◆純血種よりも交雑種の発症リスクが高い病気◆
・内分泌疾患
・皮膚疾患
・運動器疾患
上記のことから、純血種と交雑種それぞれに発症リスクが高い病気が存在していることが分かる。よって、今後、それぞれのリスクを重視した健康診断が考案され、スウェーデン国内に普及していくことに期待している。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36912155/