犬が傍に居たからこそ救われた。テレビを通して、インターネットを通して、この言葉を度々目にしている。また、犬や猫が近くに居ることで、ヒトは肉体的にも精神的にも健康でいられるといった論文も良く見かける。つまり、ヒトは彼らに大きく頼って、支えられて生活をしているのだ。そこで、疑問が浮かぶ。彼らがヒトに頼り、支えられているということはないのだろうか。
冒頭のような背景の中、イタリアの大学らは、神経質で人見知りをすると言われているオーストラリアン・キャトル・ドッグを対象にして、ヒトとの交流で生じる、あるいは、軽減されるストレスの有無を調べる研究を行った。なお、同研究では、ヒトとの交流が制限される犬小屋で飼育されている個体に絞っており、①交流を制限したままのグループと②交流をするグループのコルチゾール濃度が測定されている。すると、①ではコルチゾールが大幅に上昇し、②ではその上昇が見られないことが分かったという。また、②と交流するヒトが犬にとって見慣れない人物であったとしても、コルチゾールは上昇しないことが判明したとのことである。
上記のことから、犬(神経質で人見知りをする犬種)もヒトに支えられていることが窺える。よって、小屋で愛犬を飼う世帯、仕事で愛犬に留守番させることが多い世帯では、今以上に意識をして彼らとコミュニケーションをとって頂けると幸いである。
参考ページ:
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0168159123002113