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元気が消失し食欲が無くなった雑種の犬が抱えていた悪性腫瘍

投稿者:武井 昭紘

3日間に渡って元気が消失し、食欲が無くなった犬(雑種、11歳齢)がポーランドの動物病院を訪れた。精査が進む中で、心エコー図検査にて異常が発見された。心臓内に腫瘍が発生していたのだ。予後は不良。現時点での全身状態が悪いこともあってか、そう判断されて安楽死となった。そして、その後、剖検による原因追究が決まった。すると、過去に報告が無い症例であることが判明した。

剖検においても、心臓内に腫瘍はあった。特筆すべきは、その数。心臓の4つの内腔すべてに腫瘍が存在していたのだ。となれば、転移が疑わしくなる。しかし、他の臓器に腫瘍は見付からなかった。腫瘍組織の病理検査の結果は、横紋筋肉腫の特徴を指し示していた。

『原発性、且つ、心臓内に複数の横紋筋肉腫が発生した犬の症例報告は初めて』。症例を発表したポーランドの大学らは、こう述べる。よって、体調不良を訴える高齢犬の診察にて心臓内腫瘍を発見した場合は、4つの内腔すべてを精査することが望ましいと思われる。

病理検査の結果はリンク先の論文をご参照下さい。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37649059/


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