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気道症候群に対する外科手術に臨んだ短頭種の術前後で心エコー図検査を行った研究

投稿者:武井 昭紘

短頭種気道症候群(brachycephalic obstructive airway syndrome、BOAS)の犬を見ていて思う。呼吸が非常に苦しそうであると。そして、ある苦しさは呼吸器への負担だけに留まっているのだろうかと。肺と心臓は太い血管で繋がっている。ならば、心臓にも何らかの負荷が掛かっているのではないかと。

冒頭のような背景の中、イタリアの東に位置するスロベニアのリュブリャナ大学は、BOASに対する外科手術に臨む予定の犬18匹を対象にして、術前と術後(6~12ヶ月)における心エコー図検査を実施する研究を行った。すると、術後に右心室系の測定値が改善し、右心室圧の低下を伴って収縮・拡張機能が回復することが判明したという。

上記のことから、BOASを抱える症例には右心負荷が生じており、その負荷は術後に改善することが窺える。よって、BOASに関する診察では、呼吸器、且つ、循環器の治療として外科手術をオーナーに薦めることが望ましいと思われる。

研究対象となった短頭種の内訳は、フレンチ・ブルドッグ7例、ボストン・テリア6例、
パグ5例だったとのことです。

 

参考ページ:

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2023.1148288/full


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