起きていても寝ていてもフガフガと音を立てる短頭種の犬を見ては、あるイメージが頭に浮かぶ。イビキをかきながら眠るヒト。時折止まって無音になる瞬間。睡眠時無呼吸症候群。この病気を患ったヒトは、睡眠障害に悩まされることがあるという。また、心血管系疾患、全身性の炎症、高血圧の発症リスクも抱えると言われている。短頭種の彼らにも、これらのトラブルは起きるのだろうか。そして、彼らの生活の質は悪化するのだろうか。
冒頭のような背景の中、フィンランドの大学らは、①短頭種12匹と②中~長頭種12匹の睡眠状態を首輪型のポータブルデバイスで観察を試みる研究を行った。なお、同研究では、一定時間当たりの呼吸困難の割合から指数(obstructive Respiratory Event Index、OREI)を算出し、且つ、イビキの割合を数値化し、データを客観的に評価している。すると、②に比べて①のOREIとイビキの割合は有意に高く、両数値は正の相関関係にあることが判明したという。
上記のことから、イビキをかきながら眠る短頭種には呼吸困難が起こることが窺える。よって、今後、短頭種の睡眠の質を数値化する研究、そして、呼吸障害や睡眠障害と心血管系疾患、全身性の炎症、高血圧の寒冷性を明らかにする研究が進み、彼らの生活の質を改善する治療法が開発されることに期待します。

本研究では、首輪型のポータブルデバイスの利便性も評価されており、使いやすいという判定が下されております。
参考ページ:
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jvim.16783