現在、世界的な人気を誇る大型犬ゴールデン・レトリバーの生涯を追跡するべく、アメリカではGolden Retriever Lifetime Studyなる長期の研究が進められており、研究対象となったゴールデン・レトリバーに寿命を迎える時期が着々と近付いてきているとのことである。つまり、彼らが高齢になってきているということで、悪性腫瘍を抱える個体が出てくることが想定されているのだ。
冒頭のような背景の中、イギリスの王立獣医科大学(Royal Veterinary College、RVC)は、同大学が関与する大規模臨床データベースVetCompassにおいてゴールデン・レトリバーが発症する悪性腫瘍に関する統計学的解析が行われていないことに着目し、その悪性腫瘍の疫学を明らかにする研究をスタートさせることを発表した。また、研究を始めるにあたり、疫学または科学の分野において博士号を取得し、且つ、本研究に高い意欲を示す人物を募集することも公表した。開始時期は2023年6月。3年間に渡る解析作業が予定されているという。
RVCは述べる。『ゴールデン・レトリバーは悪性腫瘍の発症リスクが高い犬種である』と。果たして、ゴールデン・レトリバーはどのような悪性腫瘍を発症して、その腫瘍が彼らの寿命にどう影響するのだろうか。本研究が一定の成果を上げ、ゴールデン・レトリバー、引いては犬全体の腫瘍科診療が進化を遂げることを願っている。

本研究では、Golden Retriever Lifetime Studyのデータも使用されるとのことです。
参考ページ:
https://jobs.rvc.ac.uk/Vacancy.aspx?ref=PPS-0011-23