ニュース

3年が経過したプードルの死から改革が求められるテキサス州の獣医委員会

投稿者:武井 昭紘

2019年12月、エヴァと名付けられたプードルが亡くなった。彼女は不妊手術を受けたばかりであった。死因は驚くべきことに、腹壁の縫合に腸管を巻き込んだことであった。そして、「それ」が判明した8日後、彼女は息を引き取った。執刀医は、テキサス州の貯水池シダー・クリークで低価格の不妊・去勢手術サービスを提供する動物病院の獣医師だった。1日に50件もの手術。1件にかける注意力が散漫になりそうなオーバーワークも疑われる件数であった。

明らかな医療ミスをしたと思われる獣医師には、事故から3年もの歳月を経て2023年1月、ようやく1年間の業務停止が言い渡された。あまりにも遅い結論。処分内容を検討したテキサス州の獣医委員会のシステムに疑問符が打たれることとなった。2015年における同委員会の処理スピードは、1件の事案につき平均で221日。対して2021年はというと、平均で464日。2分の1以下に効率が落ちていることが判明した。

これを受けて、上下院の議員や一般市民から構成されるサンセット諮問委員会は、テキサス州の獣医委員会の監視能力が低下していること、即ちペットに対する高度な医療レベルを維持できなくなる事態が起きていると重い判断を下した。そして、同委員会は、テキサス州に諮問機関の設置を提案した。獣医師の免許・資格に纏わる業務効率の改善を目指して。果たして、同州獣医委員は改革され、以前の監視能力を取り戻すのか。今後の動向に注視したい。

過去に3件、この獣医師には懲戒処分が下っています。うち2件は今回と同様、犬が亡くなっているとのことです。

 

参考ページ:

https://www.dallasnews.com/opinion/editorials/2023/02/07/poodles-death-after-vet-visit-shows-why-texas-vet-board-needs-revamp/


コメントする