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ロイヤルカナンとの英国のチャリティ団体が推進する犬の体型評価キャンペーン

投稿者:武井 昭紘

犬の寿命に関する50000件のデータの解析によると、標準的な体型の個体に比べて肥満の個体の寿命は最大で2.5年も短くなるという。つまり、肥満は犬の健康を蝕む病気だと考えられるのだ。ならば、臨床獣医師には責務があると筆者は思う。動物病院を訪れるペットの体型をチェックし、肥満を予防・治療する責務が。

冒頭のような背景の中、世界的なペットフードメーカーのロイヤルカナン社とイギリスのチャリティ団体PDSA(People’s Dispensary for Sick Animals)は2023年2月~3月にかけて、ペットの体重をチェックするキャンペーン「PDSA’s Big Weigh In」を展開することを発表した。なお、同キャンペーンの主軸は登録された個々の動物病院でペットの体重およびBCSを記録することで、そのデータを明記したカードをオーナーに渡すことにあるという。また、カードを受け取ったオーナーがそこに印刷されたQRコードを読み込むことでロイヤルカナン社のフードを安く購入できるシステム(5ポンド、約800円)も導入しているとのことだ。加えて、このデータがロイヤルカナン社に共有されると、万単位の動物の命を救った実績を有するPDSAに1ポンド(約160円)が寄付されるそうだ。そして、寄付金は、ペットに掛かる治療費の負担が大きいオーナーの支援に回される予定となっている。

果たして、「PDSA’s Big Weigh In」のキッカケにして、ペットの寿命(健康寿命)は延びるか。今後の動向に注視したい。また、寄付という文化が定着しているとは言い難い日本にも、同キャンペーンが普及することを願っている。

体重測定とBCSの評価結果に応じた獣医師の対応は、診察費も含めて各院の裁量に任せるとのことです。

 

参考ページ:

vetportal.royalcanin.co.uk/landing-page/every-practice-is-invited-to-take-part-in-the-pdsa-weighup-campaign/


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