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新しい輸血製剤をラインナップに追加したイギリスのPet Blood Bank

投稿者:武井 昭紘

大量の出血、重度の血小板減少に血栓症。血液を止めるための血小板が不足する何れの疾患にも、輸血療法は適応される。しかし、赤血球、白血球、血小板に血漿が混ざり合った全血の輸血では、その不足を補うことが困難な場合がある。つまり、不足をしている血小板を効率的に補充する治療法が求められているのである。即ち、濃厚血小板製剤を流通させることが獣医学の課題なのだ。

冒頭のような背景の中、イギリス全土に輸血用血液を届けるべく活動する慈善団体Pet Blood Bankは、犬の輸血療法に利用できる濃厚血小板製剤を新たにラインナップに追加することを発表した。なお、この製剤は、前述した各種疾患もさることながら、血小板の機能に異常を齎す遺伝病や出血傾向を呈する個体の術前準備にも活用することを検討しているという。

果たして、濃厚血小板製剤は全英へと普及し、命の危機に瀕する犬たちを1匹でも多く救う原動力になるか。今後の動向に注視したい。

日本にも全国的な動物用血液バンクが構築されることを願っております。

 

参考ページ:

https://mrcvs.co.uk/en/news/22045/New-platelet-treatment-launched-for-dogs


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