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イギリスで9000名以上の成人を対象にしたペットに纏わる調査が明らかにした深刻な経済事情

投稿者:武井 昭紘

ロシアが仕掛けた戦争の爪痕もあってか、世界は歴史的な物価の上昇を経験している。全ての業種・業態を巻き込み、物の価格は次々と上がり、様々なサービスの料金も見直されている。そして、この流れは動物医療業界へも浸透する。つまり、ペットフードも、治療・予防に掛かる医療費も高騰し始めたのだ。高騰の以前でさえ、ペット保険に加入していない人々にとっては高いと認識されやすい医療費が上がってしまった。ペットフードの値上げも2弾、3弾が待ち構えているかも知れない。これは、どのような影響を及ぼすのだろうか・・・・・。

 

冒頭のような背景の中、イギリスの動物慈善団体Dogs Trustは、9000名以上の成人を対象にしたペットに纏わるオンライン調査を行った。すると、約30%のヒトが犬を飼育していることが確認され、以下に示す事項が明らかになったという。

◆犬を飼育しているヒトが抱える深刻な経済事情◆
・犬を飼育しているヒトの13%がペットのために借金をしていた
・約33%のヒトが想定外に掛かる医療費(100ポンドを超えるもの)を請求されたら借金をするしかないと回答した
・84%のヒトがペットの飼育に掛かる費用が最近の6ヶ月で上昇したと回答した
・77%のヒトがフードが高価になったと回答し、22%のヒトがより安いフードに切り替えたと述べた
・約10%のヒトが治療、予防、処置のために動物病院を訪れる時期を遅らせて逃していた
・43%のヒトがワクチンなどの定期的に掛かる医療費が上昇したと回答した

 

同団体の以前の調査では、犬を飼育しているヒトの3%が物価の上昇が続くならば犬を手離すことを考えると回答したという。これは、イギリス全土の飼育頭数の念頭に置くと、実に350000匹が該当する計算になる。そして、今回の調査で既に借金をしている、あるいは、借金に怯えているヒトが居ることも明らかになった。つまり、既に彼らの経済事情は危機的だと言える。どのような形であれ支援が必要だと思われる。果たして、犬を飼育する人々の将来を明るく照らす希望の光とは何であろうか。今後、緊急で議論され、政治的な対策が検討されることを願っている。

同様の調査が日本でも行われ、必要な対策が講じられることに期待します。

 

参考ページ:

www.vettimes.co.uk/news/more-than-1-in-10-dog-owners-pushed-into-debt-to-care-for-pets-poll-reveals/


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