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大手インターネット販売業者と協力して動物福祉の向上に取り組むイギリス獣医師会

投稿者:武井 昭紘

あるペット用品と子羊の去勢を目的とした器具。これらが大手インターネット販売業者であるAmazonやe-Bayで販売されていることが発覚した。この2つの道具は何れも、動物福祉に重大な影を落とす代物であった。あるペット用品とは子猫の狼爪を切除するもの、子羊の去勢器具は子犬の尾を切断するためのものだったのだ。そして、イギリスの獣医師会(BVA)は、これを問題視した。

日本の動物愛護法は勿論のこと、イギリスの2006年動物福祉法にも「動物に苦痛を与えてはならない」という規定がある。つまり、想像に難くないが、BVAは狼爪の切除も尾の切断も「この苦痛」に該当すると判断したのである。そこで、BVA、Amazon、e-Bayは協力して、商品掲載ページを削除し取り締まりを行うことを決定した。

日本もイギリスも、狼爪の切除および尾の切断を実行できるのは獣医師のみだ。しかし、それらを可能にするペット用品・器具がインターネットを介して出回れば、誰でも施術できる状況になってしまう。そして、その状況下では麻酔は使用されないことが予想される。これは由々しき事態である。動物は生きている。ヒトと同じく痛みを感じる。狼爪の切除や尾の切断は想像を絶する痛みだろう。よって、どうか取り締まりが継続され、苦痛を味わう犬猫が1匹でも減ることを祈っている。

同じような事態が日本で起きないことを願います。

 

参考ページ:

https://www.bva.co.uk/news-and-blog/news-article/amazon-and-ebay-team-up-with-vets-to-tackle-sale-of-products-for-illegal-mutilation-of-animals/


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