筆者の持論になってしまうかも知れないが、ペットを購入する時に、そのペットが病気になった時のことを具体的にイメージしているヒトは少ない。そして、購入しようとしているペットが現在抱えている健康問題を一つひとつ丁寧にチェックしているヒトも多くない印象だ。しかし、ペットは病気になる。つまり、オーナーにも、健康的な個体を見抜く眼が求められているのだ。
そこで、短頭種の福祉に取り組むBrachycephalic Working Group (BWG)は、購入後のトラブルを回避するべく、健康的な犬を確実に選ぶためのチェックシートをオンライン上に公開している。それによると、詳細は以下の通りである。
①眼
・眼を完全に閉じることができるか（瞼が短くはないか）
・顔を見た時に眼の位置を認識できるか
・瞬きを自然にできているか
②聴力
・難聴の発症と関連付けられている毛色ではないか
・耳の外観が聴力の低下に繋がる可能性はないか
③呼吸
・鼻や喉が閉塞して呼吸の妨げになっていないか
・呼吸のトラブルで睡眠が障害されていないか
・周囲環境の匂いを嗅ぐことができるか
④管理の難易度
・下半身の清潔を保ちにくい体の構造ではないか
・皮膚のシワが過剰にないか
⑤体温調整
・体温調整が困難になるような被毛ではないか
・太陽や熱から皮膚を守れるだけの被毛は生えているか
・気候によって温められた空気を冷やすのに充分な鼻の長さはあるか
「大部分のチェック項目に、はいと答えられること」
これを購入時に留意した方が良いと、BWGは訴える。今まさに犬の購入を検討している方々は、チェックシートを参照し、塾考して欲しい。そして、末永く、愛犬と楽しい時間を過ごして頂けると幸いだ。
本稿で紹介したチェックシートに相当する画像データは、リンク先をご参照下さい。
参考ページ：
http://www.ukbwg.org.uk/wp-content/uploads/2022/05/220512-BWG-Innate-Health.pdf
