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猫に差し迫った福祉上の問題について獣医師に訊ねたアンケート

投稿者:武井 昭紘

犬よりも飼育(世話)が簡単というイメージもあってか、日本と同様、イギリスでも猫は人気のペットである。つまり、多くの人々が猫を飼育しているということだ。そうであるとしたら、心配なことがある。飼育世帯の事情は多種多様。何不自由ない生活を送る猫も居れば、ストレスや多頭飼育崩壊など動物福祉上の問題に直面している猫も居ることが推察される。果して、彼らは幸せで、且つ、健康的な生活を送っているのだろうか。8月8日に迎えた国際的な猫の日、International Cat Dayを機に、猫の福祉について考えることは重要だと言える。

 

冒頭のような背景の中、イギリス獣医師会(British Veterinary Association、BVA)は、
獣医師が懸念している猫の福祉上の問題を明らかにする調査を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆獣医師から見た猫に差し迫った福祉上の問題◆
・43%の獣医師が過体重・肥満を指摘した
・41%が多頭飼育下における問題行動とストレスを挙げた
・34%が歯のトラブル、26%がextreme conformation(鼻が潰れているなど極端な外見)を問題視していた
・19%が「愛猫に予防医療を受けさせないこと」を心配していた

 

International Cat Dayは、猫に関する情報を発信する日であるとともに、彼らへ向けられた愛情や謝意を表現する日でもある。イギリスの獣医師らは、一般家庭で飼育されている猫たちには様々福祉上の問題が降り掛かっていると考えているようだ。愛する猫のために何ができるか。自らの感情に添って可愛がることも良いのだが、獣医学的にも愛してもらえると幸いである。日々感じるストレスを軽減し、問題行動や健康被害に細心の注意を払い、必要な感染症予防の対策を検討する。どうか、彼らが幸せで、且つ、健康的な生活を送るサポートをするにあたって、動物病院(獣医師)にアドバイスを求めて頂きたい。

BVAは、飼育されている猫の4匹に1匹が獣医師が考える動物福祉の条件を満たしていないとも述べています。

 

参考ページ:

https://www.bva.co.uk/news-and-blog/news-article/international-cat-day-stressed-and-obese-vets-report-most-pressing-welfare-issues-facing-uk-cats/


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