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ライム病を発症するリスクファクターを明らかにしたアメリカの研究

投稿者:武井 昭紘

発熱、皮膚病(紅斑)、神経症状などを呈するライム病は、マダニが媒介するボレリア属の細菌による感染症で、アメリカでは一般的なズーノーシスであると言われている。しかし、ライム病に感染するヒトが抱えているリスクファクターについては詳しく分かっていないのが現状である。つまり、公衆衛生上、そのファクターを把握して予防対策を考案することが重要だと言えるのだ。

 

冒頭のような背景の中、アメリカの大学および研究所らは、当該感染症に罹患したヒト180名以上、および、罹患していないヒト130名以上を対象にして、リスクファクターを特定する研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆ライム病を発症するリスクファクター◆
・農村部の居住は発症の確率を36%上昇させる
・ペットの所有が発症の確率を約11%上昇させる
・それは特に猫のオーナーに顕著であった(猫で約2.1倍、犬で約1.4倍)
・ライム病に関する知識を持っているヒトは虫除けを使い、マダニが自分に付いてないかチェックする可能性が高かった

 

上記のことから、①都市部以外に棲むこと、②ペットを飼うこと(特に猫)、③ライム病に関する知識が無いことが、当該感染症を発症するリスクファクターとなっていることが窺える。よって、今後、①から③のいずれかを満たすヒトをターゲットにした啓蒙活動が計画され、また、猫のマダニ予防がこのリスクを低下させるか否かについて検証され、人々が発症するリスクが下がることを期待している。

ライム病に罹患したヒトには、現在感染しているヒトと過去に感染を経験したヒトが含まれております。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35565004/


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