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スペイン国内に暮らす猫におけるフィラリア症の有病率と抗体保有率を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

日本や世界各国と同様、スペインでも①犬のフィラリア症は一般的な病気であるという。しかし一方で、②猫のフィラリア症となると、国内での研究は進んでいると言えないとのことだ。つまり、①と同様に②の疫学を明らかにすることが急務なのである。

 

そこで、スペインの大学らは、6500匹以上の猫を対象にして、彼らの診療記録と血清サンプルにおけるDirofilaria immitisの抗原および抗体の有無を解析する研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆スペインにおける②の疫学◆
・有病率は0.5%であった
・血清の陽性率は9.4%であった
・その陽性率は地中海沿岸(10%前後)や諸島部(同国の南部と東部、約16~19%)で最も高かった
・屋内飼育と屋外に行ける環境で飼育される猫いずれでも陽性例が確認できた
・約6%の猫のみがフィラリア予防をしていた

 

上記のことから、予防している個体が少ないためか、約10%の猫がフィラリアに感染しており、①が報告されているスペインでは②も一般的であることが窺える。また、その割合は、特定の地域で増加していることも分かる。よって、地中海沿岸および諸島部を中心に、②を啓蒙するイベントが計画され、当該疾患で苦しみ亡くなる猫が1匹でも減ることを願っている。

生後6ヶ月齢から陽性例が認められるようになるとのことです。

 

参考ページ:

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2022.900371/full


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