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輸血用血液・血液バンクの需要が高い動物医療業界の裏で暗躍したバンパイア

投稿者:武井 昭紘

動物医療業界の輸血用血液に対する需要は高い。しかし一方で、人医療に匹敵する規模での全国的な血液バンクは存在していない。つまり、動物の血液を必要とする獣医師の需要は満たされていないのだ。だが、視点を変えれば、こう言えるだろう。仮に需要を満たす血液が用意できれば、それはビジネスになると・・・。

7月に入って間もなく、全英に輸血用血液を届けるべく活動する慈善団体Pet Blood Bankは、あるオンライン記事に反応した。それは、スペインで起きた凄惨な事件であった。ルイス・ミゲルという人物が、犬の輸血用血液を獣医師に販売したとして逮捕されたのだ。実に500匹。この血液製剤の販売で犠牲になった犬の数である。そう、無数の犬を殺して、輸血用血液を用意していたのだ。

 

『高水準の動物福祉を維持しつつ、イギリス国内で製造された輸血用血液を扱っている』。

Pet Blood Bankは、このように語り掛ける。命を救う可能性を秘めた輸血用血液が動物の命を犠牲にして製造されてはならないという信念を掲げ、国内で動物医療に従事する獣医師を安心させるために。

 

非常に痛ましい事件である。二度とあってはならないことだ。また、模倣犯が日本に出現しないで欲しいと切に想う。犠牲となった犬たちの冥福を祈るとともに、今後ドナーとなる犬たちの全てが幸せに天寿を全うすることを願う。

リンク先の文章では、ルイス・ミゲルを「dog-vampire」と呼んでいます。

 

参考ページ:

https://mrcvs.co.uk/en/news/21637/Pet-Blood-Bank-UK-comments-on-‘dog-vampire’-reports


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