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猫の間で伝播し彼らの体内で変異する新型コロナウイルスの脅威について調べる研究

投稿者:武井 昭紘

2022年6月。タイのプリンス・オブ・ソンクラー大学が、猫からヒトに新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が感染した事例を発表した。今まで、「動物からヒトへ感染すること」は否定的・懐疑的であったことを考慮すると、これは驚くべき事実である。と同時に、この事実は、「感染の可能性を明確にしておくべき」ということを訴えているようにも捉えられるのだ。

冒頭のような背景の中、テキサスA&M大学は、テキサス州の政府州および州都オースティンで活動する非営利団体の協力を得て、猫の間で伝播し、そして、彼らの体内で変異する新型コロナウイルスのヒトへの脅威について調べる研究をスタートした。なお、同研究では、不妊・去勢手術のために捕獲され、麻酔が掛けられたストリート・キャットの喉からサンプルを採取し、SARS-CoV-2の検出と遺伝子配列の決定を試みるという。また、その結果は、アメリカ疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)へ報告されるとのことである。

 

『ウイルスの伝播と変異をより深く理解し、次に起こるであろう事態を予測する』。

研究を主導するテキサスA&M大学の准教授は、そう述べる。果して、SARS-CoV-2は、猫からヒトへ伝播するのか。仮に伝播するならば、それを防ぐ方法はあるのか。今回紹介した研究が、これらの謎を解明し、獣医師や動物看護師を含めたヒトと猫の関係を見直すキッカケになることを期待している。

同研究には、65000ドル(約880万円)の助成金が提供されております。

 

参考ページ:

vetmed.tamu.edu/news/internal-news/austin-community-cats-study/


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