心肺停止をした犬猫に対する一次救命処置（ＢＬＳ）を学ぶ民間資格「ペットＢＬＳ検定」が創設された。青森県八戸市出身の救急救命士の山本大樹さん（４１）が東京を拠点に、ペットの救命法の普及に力を入れている。
記事によると、ペットの呼吸が止まったり、名前を呼んで反応がない時、胸部圧迫と人工呼吸を施し、獣医師に引き継ぐことで助けられる場合があるが、人が対象の心肺蘇生と比べ、ペットの救命法を学ぶ機会はこれまで少なかった。飼い主の認識やニーズを探るため、昨年１１月にアンケートを行ったところ「ペットが心肺停止になったときの処置が分からない」との回答が９３％を占めたという。
現状を改善しようと、山本さんは昨年１２月、検定を創設。日本獣医救急集中治療学会の監修で、実技練習用の教材と検定の公式テキストを作り、ペットＢＬＳトレーニングセンターも設立した。
犬の胸部圧迫は、体のサイズや犬種によって方法が異なるという。講座では胸の上下動など呼吸の有無を判断するこつや、教材のぬいぐるみを使って胸部圧迫と人工呼吸の正しいやり方などが学べる。
東日本大震災の発生当時、山本さんは八戸消防署に勤務し、救命活動にあたった。その後、防災関係の仕事に転職。被災時のペットの受難などを知り、救命法を広めることを志したそうだ。
ペットＢＬＳ検定は自宅に居ながら学べ、複数での受講も可能。受講料は実技試験込みで１万３８００円。複数で受講すると１人当たりの費用が割安になる。ペットＢＬＳトレーニングセンターのウェブサイトから申し込める。
山本さんは「もしものときに備えて、ペットにとって最も身近な飼い主に、犬や猫の命を守る知識と技術を身に付けてほしい。家族ぐるみで取り組めば、動物病院に運ぶまでの間、交代で処置を施すことができる」と呼びかける
元消防署員が犬猫への一次処置資格創設 目指すのは人医療ののBLS水準
＜2022/06/07 河北新報＞
＜ペットＢＬＳトレーニングセンター＞
元消防署員が犬猫への一次処置資格創設 目指すのは人医療ののBLS水準
