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生まれて間もない0歳齢の子犬の余命を犬種別に調べた研究

投稿者:武井 昭紘

自分自身の寿命に照らし合わせて命に責任を持つという意味でも、その命を持つ動物を健康に飼育するという意味でも、これから飼おうとしているペットの「余命」を予測することは非常に重要である。では果たして、彼らの余命とは、どれくらいの長さなのか。この度、犬に焦点を当てた研究が発表された。なお、研究を発表した王立獣医科大学(Royal Veterinary College、RVC)および台湾の大学らによると、詳細は以下の通りである。

 

◆生まれて間もない0歳齢の子犬の余命◆
・大規模臨床データベースVetCompassに登録された3万匹以上の犬の診療記録を対象にした
・これらの犬は過去4年6ヶ月(2016年1月~2020年7月)の間で亡くなった症例である。
・18の品種と交雑種が含まれている
・平均余命は11.2年であった
・ジャックラッセルテリアの余命が最も長かった(12.7年)
・次いでボーダーコリー(12.1年)とスプリンガースパニエルが続いた(11.9年)
・短頭種の余命が最も短かった(フレンチブルドッグ4.5年、イングリッシュブルドッグ7.4年、パグ7.7年、アメリカンブルドッグ7.8年)
・短頭種の余命の短さは呼吸トラブル、脊椎疾患、難産と関連していた
・不妊去勢手術を受けた犬は受けていない犬よりも余命が長い(1年前後)

 

上記のことから、取り分け短頭種の余命が短く、その原因は病気によることが窺える。短頭種は、様々な病気になりやすい犬種だ。そして、本研究によって、余命が短いことが浮き彫りになった。つまり、現状における短頭種の繁殖・流通・飼育は彼らの福祉を脅かしていると言える。彼らの福祉を改善するためには、何を見直すべきか。そして、何に取り組むべきか。今後、短頭種の福祉向上に向けた世界的な議論が巻き起こることに期待している。

テリア種、ガンドッグなどのグループの余命は、リンク先をご参照下さい。

 

参考ページ:

https://www.rvc.ac.uk/vetcompass/news/new-rvc-research-helps-owners-better-understand-the-remaining-life-expectancy-of-dogs


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