ニュース

ウサギのリンパ腫に関する疫学を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

一次診療施設で良く遭遇するリンパ腫は、犬猫のみならず、ウサギにも発生する。では、ウサギの「それ」は、犬猫と似ているのだろうか。疫学を明らかにすることは、エキゾチック診療の発展に寄与するものと思われる。

 

そこで、カリフォルニア大学は、リンパ腫と診断されたウサギ16匹の臨床的、あるいは、病理学的な特徴を調べる研究を行った。すると、以下に示す事項が判明したという。

◆ウサギのリンパ腫に関する疫学◆
・症例の年齢は平均で8歳であった
・びまん性大細胞型B細胞リンパ腫が最も一般的であった(病理学的検査をした症例の50%)
・次いで上皮向性T細胞リンパ腫およびⅡ型腸管症関連T細胞性リンパ腫が続いた
・化学療法を受けた症例の約83%が快方に向かった
・びまん性B細胞リンパ腫が最も良く治療に反応した
・生存期間は中央値で60日であった

 

上記のことから、ヒトおよび犬と同様、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫が最多であることが分かった。また、化学療法によって臨床的に改善する症例が多いことも窺える。よって、今後、リンパ腫を罹患したウサギの生存期間を延ばす化学療法について研究が進み、最適なプロトコルが特定されることに期待している。

B細胞またはT細胞リンパ腫と診断された症例に着目すると、生存期間はそれぞれ8日、36日(中央値)になるとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35263294/


コメントする