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アトピー性皮膚炎を抱える犬の経過を良好にする新しい療法食の開発

投稿者:武井 昭紘

アトピー性皮膚炎を抱えた犬には、免疫を調整する薬剤の服用を一生涯に渡って継続することが求められる。そして、厳しい現実ではあるが、その服用には常に副作用のリスクが付き纏う。故に、服用する薬剤の量を減らすことが望まれるのだ。では、どうのようにして「減らす」か。ここに着目した研究が、スイスの大学とロイヤルカナン社らより発表された。

まず大学らは、コードネーム「Flame」と呼ぶ①新しい療法食と②コントロールのフードを用意したという。次に、アトピー性皮膚炎を抱えた犬40匹を無作為に2つのグループに分け、それぞれに①または②を最大9ヶ月間給餌。そして、罹患犬の掻痒、皮膚炎の重症度、投薬の状況(生活の質を向上し維持するために必要な投与量)を数値化し、両群を比較した。すると、①を与えられたグループの投与量は給与から3ヶ月の時点で減少傾向を示し、6ヶ月および9ヶ月目には、その量が②と比べて有意に減少することが明らかになったとのことである。

上記のことから、コードネーム「Flame」という療法食は、アトピー性皮膚炎の犬が服用する薬剤の量を減らす効果を有していることが窺える。よって、今後、その効果を発揮する成分の特定が進むとともに、Flameを製品化し流通させる動きが起きることを期待している。


①を与えられたグループの掻痒の程度は、給与開始3ヶ月後には改善したとのことです。しかし、②を与えられたグループでは、その改善は認められなかったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34545649/


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