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ラブラドール・レトリバーの舌側に変位した下顎犬歯を矯正した咬合斜面板

投稿者:武井 昭紘

生後6ヶ月のラブラドール・レトリバーは、歯に問題を抱えていた。下顎の犬歯(永久歯)が舌側に変位して、上顎の歯肉に喰い込み、痛みと損傷を齎していたのだ。原因は、通常よりも下顎が短いこと。犬歯を短くし、あるいは、抜いて治療とするか。いや、侵襲的な処置は避けたい。診察を担当した高次診療施設(エディンバラ大学)の獣医師は、そう考えた。

そこで、獣医師は、下顎の犬歯を温存するために歯科矯正へ踏み切る。咬合斜面板と呼ばれる、下顎を前方に移動させる矯正器具を症例に適応した。6週間の矯正の結果は良好。変位していた犬歯は、正常な位置へと収まった。

今回紹介した症例の治療は成功した。しかし、獣医師は訴える。『この咬合トラブルは遺伝的な背景を持つ』と。つまり、繁殖に本症例を用いてはならないということである。果たして、咬合斜面板は、同様の症状を有する他の症例にも有効なのか。今後、その有用性が検証され、犬の歯科診療で選択できる治療法の幅が広がることに期待している。

実際の咬合トラブルの状況は、リンク先の画像をご参照下さい。

 

参考ページ:

https://www.ed.ac.uk/vet/services/small-animals/news-and-updates/dog-benefits-from-innovative-dentistry-procedure


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