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イングランド北東部ヨークシャーから始まった謎に満ちた犬の嘔吐・下痢に関する調査

投稿者:武井 昭紘

イングランド北東部のヨークシャーで暮らす犬に異変が起きている。海岸を散歩した彼らが嘔吐や下痢が呈しているのだ。果たして、原因は、治療法・予防法は。謎に満ちた疾患の全容を解明することが急務になっている。

 

冒頭のような背景の中、リバプール大学は、2022年1月29日~31日の間に獣医師またはオーナーから報告があった200件以上の症例のデータを解析した。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆ヨークシャーから始まった謎に満ちた犬の嘔吐・下痢に関する調査◆
・最も一般的な症状は食欲不振、嘔吐・下痢(血液を含まない)であった
・約80%の症例は海岸を散歩していない(海岸から離れた場所で発生している)
・90%以上の症例が過去3年間にワクチン接種を受けていた
・複数の犬を飼育している世帯の約64%で症例の同居犬も発症している
・60%以上の症例が何らかの治療を必要としている
・大部分の症例が7~14日以内に回復する

 

上記の事実を受け、同大学は、当該疾患が感染症である可能性を疑っている。「そう」であった時のことを考慮し、症例の隔離、吐物や下痢の片づけ(特に屋外にて)、オーナーの手洗いを奨励している。また、今回の調査で、当初の想定(ヨークシャーの海岸を散歩した犬が発症する)は間違っていることが示唆された。彼ら(犬たち)は何故、嘔吐や下痢を呈するのか。今後、その原因が特定され、1日でも早く治療法および予防法が確立することを願っている。

当該疾患につきましては、オンラインアンケート調査にて更なるデータの蓄積を試みているようです。

 

参考ページ:

https://www.liverpool.ac.uk/savsnet/dog-gi-investigation/dog-gi-investigation-updates-2022/


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