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除細動で解決しない心室細動を呈したジャーマン・シェパードに投与された抗不整脈薬

投稿者:武井 昭紘

動脈管開存症に対する外科手術に臨むため、1歳のジャーマン・シェパードに全身麻酔がかけられた。すると、さあ手術を始めようという時に、心肺停止。予定は中断され、心肺蘇生処置を行うこととなった。しかし、麻酔の効果を打ち消す薬剤にも、エピネフリン(0.01mg/kg IV)にも反応しない。そして、心室細動へと移行する。除細動を実施。改善する兆候はみられなかった。

 

そこで、ある薬剤に望みが託された。
硫酸マグネシウムである。
20mg/kgを静脈投与することで、自己心拍が再開した。

 

「本症例は世界初。」
フロリダ大学は、除細動で解消されない難治性心室細動を硫酸マグネシウムで治療した今回のケースを報告する。果たして、同様の症状を呈する犬のうち、硫酸マグネシウムに反応する例は、それくらいの割合で存在しているのだろうか。今後、同薬剤の有用性を検証する研究が進められ、小動物臨床における心肺蘇生に関するガイドラインが見直されていくことに期待している。

人医療では、硫酸マグネシウムが奏効する不整脈症例が報告されているとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34499802/


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