ニュース

海外 臨床

FDAが承認した犬の化学療法誘発性下痢に対する治療薬Canalevia-CA1

投稿者:武井 昭紘

毎年、アメリカで飼育されている犬の約1%が悪性腫瘍と診断され、その中には化学療法を受ける症例が存在している。そして、症例の一部は、治療の中止を余儀なくされる程に、化学療法誘発性の下痢に悩まされるのだ。化学療法をすれば下痢に、しなければ腫瘍に苦しめられる犬たち。彼を救う術はないものだろうか。

冒頭のような背景の中、食品医薬品局(FDA)は、化学療法誘発性の下痢に対する治療薬を条件付きで承認すると発表した。薬剤の名称は、Canalevia-CA1。FDAによると、同薬の有効成分はクロフェレマーで、腸上皮細胞における塩化物イオンと水の分泌を阻害することで下痢を治めるとのことだ。また、Canalevia-CA1の有効性を検証した研究にて、3日間の投与で75%の症例の下痢が改善したという(対照群では25%)。

承認は1年間有効。しかも、年に4回、更新の時期を迎える可能性がある。また、完全な承認を得るまでに許された期間は5年間。果たして、Canalevia-CA1は、化学療法誘発性の下痢に悩む犬とオーナーにとって希望の光となるか。今後の動向に注視したい。

Canalevia-CA1の一般的な副作用は、軟便・水様便、元気・食欲の低下、嘔吐だとのことです。

 

参考ページ:

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-conditionally-approves-first-oral-tablet-treat-chemotherapy-induced-diarrhea-dogs


コメントする