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コロナ禍に立ち上げられたRSPCAフードバンクプロジェクト~ヒトとペットを飢えから救う~

投稿者:武井 昭紘

新型コロナウイルスが世界的に流行して以来、人々とペットの暮らしは一変した。マスクの着用を強いられ、ワクチン接種が風潮となり、それであってもウイルスの拡大は止められず、移動・経済活動の制限を受けて収入が大幅に減ったり、仕事を失う。結果、彼らが飼育するペットにもシワ寄せが回る。ペットフードの調達か、自分自身の食糧の調達か。この2つの天秤にかける厳しい現実に直面するヒトが増えてしまったようなのだ。そして、今年も冬を迎えた。大量に雪が降れば、人流・物流に支障をきたす冬が。

そこで、イギリスの王立動物虐待防止協会(Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals、RSPCA)は、昨年の12月よりフードバンクプロジェクトを開始した。同団体は、イングランド北部の40ヶ所のフードバンクと提携し、1回に200kgものペットフードを配達しているという。1ヶ月に平均10回。1月~9月だけでも113件の配達を行い、2000匹以上の犬猫を救ったとのことだ。

RSPCAは寄付を呼び掛ける。明日の食べ物に困る飼い主とペットに食糧支援をして欲しいと。イギリスの動物愛護法とも言える「2006年動物福祉法」には、動物の福祉を向上するべく、「飢えと渇きからの自由」が明記されている。果たして、これから先、現在フードバンクに頼るペットたちは、この自由を謳歌できるか。今後の動向に注視したい。また、小動物臨床に従事する獣医師におかれては、本国でもペットの食糧危機は起きていると想定して、細心の注意を払い、動物病院を訪れる犬や猫の栄養状態をチェックして頂けると幸いである。

日本にもペットのためのフードバンク事業があるようですので、困っている方は相談してみると良いかも知れません。

 

参考ページ:

https://www.rspca.org.uk/-/news-rspca-foodbank-winter-appeal


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