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外耳炎になりやすい犬種または犬の特徴を明らかにした研究

投稿者:武井 昭紘

臨床現場で非常に良く遭遇する疾患の一つに、外耳炎が挙げられる。そのため、外耳炎になりやすい犬種や犬の特徴を把握して治療法や予防法を心得ることは、小動物臨床に従事する獣医師にとって至上命題なのだ。果たして、その特徴とは。大規模症例データベースVetCompassの解析によって、それは明らかになった。なお、詳細は以下の通りである。

 

◆外耳炎になりやすい犬種または犬の特徴◆
・母集団(22000匹以上)の約7%に外耳炎は起きていた
・バセットハウンドが最も外耳炎になりやすい犬種であった(約6倍)
・次いでチャイニーズシャーペイとラブラドゥードルが並ぶ(それぞれ約3倍)
・チャウチャウ(5倍)とボーダーコリー(約3倍)は外耳炎になりにくい犬種であった
・プードル種は他品種と比べて1.9倍、スパニエル種は1.2倍外耳炎になりやすい
・垂れ耳の品種は「垂れ耳ではない」品種と比べて1.8倍外耳炎になりやすい
・10kg以上の犬は10kg未満の犬と比べて外耳炎になりやすい(体重別に1.4~2.4倍)
・1歳以上の犬は1歳未満の犬と比べて外耳炎になりやすい(年齢別に1.2~1.6倍)

 

上記のことから、バセットハウンド、チャイニーズシャーペイ、ラブラドゥードル、そして成犬、垂れ耳の犬、10kg以上の犬を飼育している世帯では、外耳炎に対する注意を払うことが望ましいと言える。よって、該当するオーナーが思い浮かぶ獣医師は、その彼らに外耳炎に関する知識を啓蒙して頂けると幸いである。また、今後、外耳炎に特になりやすい3品種が抱える発症要因を解明する研究が進められていくことに期待している。

外耳炎になりやすい(或は、なりにくい)犬種の詳細は、リンク先をご覧ください。

 

参考ページ:

https://www.rvc.ac.uk/Media/Default/VetCompass/210816%20Otitis%20Externa%20Infographic.pdf


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