ニュース

関節内に薬剤を投与することで犬の跛行を改善させようとするトライアル

投稿者:武井 昭紘

犬の変形性関節症(osteoarthritis、OA)は、慢性的な痛みを生じる疾患として知られている。そのため、この痛みを和らげることが治療法の一つであると考えられている。しかし、一般的な内科療法(鎮痛薬)に反応しない症例が存在しているのが現状となっている。つまり、新しい治療法(疼痛管理の方法)の開発が求められているのだ。

冒頭のような背景の中、ノースカロライナ州立大学は、四肢にOAを抱える犬を対象にして、ある注射薬の効果を検証するトライアルを開始した。なお、同薬は関節内に注射するタイプで、成分はプラスミドであるという。そして、このプラスミドは、抗炎症作用を有するIL-10を発現させる機能を持っているとのことだ。参加条件は、肩・肘・手根・膝・足根の何れか1~2ヶ所にOAが認められる1歳以上の犬(15~45kg)。研究期間6ヶ月の間に9回、大学付属動物病院を訪れる必要がある。

OAによって発生した痛みは、犬のQOLを低下させる。引いては、その苦しみを間近で見ているオーナーのQOLも低下させるだろう。果たして、同トライアルに使用される関節内注射薬は、彼らのQOLを改善させる特効薬となるか。今後の動向に注視したい。また、トライアルの成功を願い、それによって救われる罹患犬とオーナーが1人でも増えることを期待している。

効果判定は、歩行解析に基づいてなされるとのことです。

 

参考ページ:

https://drive.google.com/file/d/1PofcKKtlZa6OUZda1STnfhOG4_xYwI0c/view


コメントする