ニュース

尿道閉塞または特発性膀胱炎を抱える猫に対する新しい治療法の開発を目指したトライアル

投稿者:武井 昭紘

10月も第4週に入り、先程の猛暑が嘘のように冷え込んでいる。秋は忽ちに過ぎ去り、冬へと向かう。小動物臨床としては、尿路系疾患の増える冬へと。そこで、本稿では、あるトライアルを紹介したい。①尿道閉塞または②特発性膀胱炎を抱える猫に対する新しい治療法の開発を目指したトライアルだ。

同トライアルを発表したノースカロライナ州立大学によると、両疾患に纏わる痛みや炎症を軽減するべく、低線量放射線療法の有用性を検証するという。参加条件は、①または②を発症したオス猫で、会陰尿道造瘻術を受けたことのない個体であること。また、寿命が縮まるような病気や麻酔リスクが高い病気(重度の腎臓病・心臓病など)を患っていないこと。期間は1年間。トライアル開始時の入院(数時間)と、付属動物病院へ3回来院することが求められる。

果たして、低線量放射線療法は、①や②に苦しむ猫とオーナーを救う希望の光になるか。今後の動向に注視したい。そして、将来的に猫の泌尿器科診療に革新が齎されることに期待している。

本トライアルにおける特発性膀胱炎が疑われる症状として、繰り返される尿道閉塞、不適切な排尿、有痛性排尿、尿の色の変化が挙げられています。

 

参考ページ:

https://drive.google.com/file/d/1_aHa3bEhDgzZz_MK3n0y1cO-tnjh4fyZ/view


コメントする