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ブラジルの高次診療施設に入院した猫の外傷症例の死亡に関与するリスクファクター

投稿者:武井 昭紘

交通事故や落下などによって外傷を負った猫は、治療の甲斐なく無くなってしまうことがある。そのため、彼らが死亡するリスクを上げるファクターについて詳細に把握することは、救命率や退院率を改善する上で重要とされている。そこで、ブラジルのバイーア連邦大学は、以下に示す研究を行ったという。

 

◆高次診療施設に入院した外傷症例(猫)の死亡に関与するリスクファクター◆
・①救急外来または②外科に1年間入院した猫89匹を対象にした
・各症例のATTスコア、MGCSスコア、直腸温を評価した
・90%の症例は若齢、約80%は未不妊・未去勢、約60%は室内飼育であった
・75%以上の症例で鈍性の外傷が認められた
・最も一般的な原因は落下であった
・それによって後肢に外傷を負う症例が多かった
・①の死亡率は②の約9.4倍に達した
・交通事故や胸部の外傷で死亡率は高くなった
・3つ全ての評価項目が死亡する可能性を予測できるものであった

 

上記のことから、例え室内飼育であっても外傷に注意を払うこと、特に落下事故に気を付けることが重要であると言える。また、今後、3つの評価項目を利用した「症例の死亡するリスクを算出するツール」が開発され、そのリスクに応じた処置・治療法が体系化されていくことを期待している。

症例の92%は雑種で、54%はオスだったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34259571/


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