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ペット保険の加入状況と獣医療サービスの享受との関連性に関する調査

投稿者:武井 昭紘

改めて言うまでもないが、ペット保険は、加入している動物に掛かった医療費の一部を補填してくれる性質を持っている。つまり、オーナーから見ると、支払うべき医療費が軽減されると言えるのだ。更に言い換えると、高額な治療をペットに受けさせやすくなるということになるかも知れないのである。そこで、疑問が浮かぶ。実際のところ、ペット保険に加入している動物と、していない動物とでは、享受している獣医療サービスに差異が生じているのだろうか。

 

そのような背景の中、世界的な動物医薬品メーカーZoetisが、ある調査の結果を発表した。それによると、以下に示す「差異」があるようである。

◆ペット保険の加入状況と獣医療サービスの享受との関連性◆
・3つの動物病院に協力を仰いで75匹の犬猫の診療記録(1年間)を解析した
・Zoetisが提供するペット保険に加入していたのは28匹、していなかったのは47匹であった
・加入グループは年間2.8回動物病院を訪れた(未加入グループ1.7回、加入グループの保険加入前は2.3回)
・加入グループが動物病院で遣った金額は559ドル(未加入グループ326ドル、加入グループの保険加入前は392ドル)
・加入グループはより多くの処置、検査、麻酔・手術、予防を享受していた
・調査対象の動物病院に勤める獣医師の82%が、保険に加入することでオーナーが推奨する治療を受け入れやすくなると回答した
・獣医師の64%は、保険に加入することで動物病院におけるオーナーの経験がより良いものになると回答した
・獣医師の90%は、保険に加入していないオーナーが医療費について心配していると述べた

 

上記のことから、ペット保険に加入することで医療費に関する不安や負担感が軽減され、動物病院に通いやすくなることが窺える。しかも、その加入で享受できる獣医療サービス(経験)が増えるというのだ。皆様は、飼育している犬や猫が病気になった時、費用を余り気にすることなく獣医療を彼らに受けさせたいだろうか。もし『受けさせたい』と願うならば、ペット保険の加入を真剣に検討した方が良いと思われる。

処置には耳洗浄、検査には血液検査、フィラリア検査、X線検査、細胞診、予防には寄生虫駆除などが含まれるとのことです。

 

参考ページ:

https://www.avma.org/javma-news/2021-09-01/insured-pets-received-more-care-more-frequently


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