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タイの首都バンコクとその周辺で暮らす犬猫におけるSARS-CoV-2に対する抗体の保有率

投稿者:武井 昭紘

10月22日現在、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染したヒトは、242,348,657名。
COVID-19で亡くなったヒトは、4,927,723名。
ワクチン接種を受けたヒトは、6,655,399,359名。

この数値を見るにつけ、防疫対策(ワクチネーション)が進んでいることを実感する。しかし、変異株の出現により、パンデミックは尚も続いている。そして、ヒトとともに暮らす犬や猫にもSARS-CoV-2が感染しているという実態が、世界各地より報告されるようになった。

 

そのような背景の中、タイの獣医科大学らは、国内で発生した流行(第1波および2波、2020年4月~12月)に合せて、犬猫を対象にしてSARS-CoV-2に対する抗体の保有率を調べる研究を行った。なお、同研究では、①まずELISAで抗体の有無を確認し、②次いで抗体陽性例(または感染が疑われる症例)における中和抗体の有無が調べられている。すると、①では犬の約1.7%、猫の約0.4%が陽性になり、②では全例が陰性になることが判明したという。

上記のことから、タイでも犬猫がSARS-CoV-2に感染していることが分かる。これは、世界各地からの報告と同様だ。感染者数が最多を記録した第5波を過ぎて、第6波を警戒する日本。果たして、本国では、どれほどの犬猫が新型コロナウイルスに感染しているのだろうか。今後、調査が計画され、実態が明らかになることを期待している。

検体採取の対象となった犬猫は、バンコクに暮らす1~13歳未満の個体で、軽度の呼吸症状を呈する症例だとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34180590/


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