ニュース

iCatCareが提唱する動物病院のキャットフレンドリーな環境整備8つのポイント

投稿者:武井 昭紘

ある調査によると、動物病院に愛猫を連れて行くことにストレスを感じるオーナーは全体の22%に達するという。それが故か、動物医療を享受している猫は母集団の40%に留まり、新しく飼い始めた子猫の50%しか動物病院を訪れないという現状にあるようだ。また、オーナーの中には、経済的負担を心配し(17%)、不必要な治療を提案されたくない(14%)と考えているヒトも居るとのことである。これは、猫の飼育頭数が犬に匹敵する、あるいは、それを超える勢いである世界情勢(日本を含む)において、由々しき事態と言わざるを得ない。つまり、何か対策を講じることが求められるということだ。

 

そこで、猫の福祉を願って積極的に活動するイギリスの慈善団体iCatCareは、ウォルサム研究所と協力をして、キャットフレンドリーな動物病院の実現に大切な8つの環境整備ポイントをツイッター上に公開した。なお、その詳細は以下の通りである。

◆動物病院のキャットフレンドリーな環境整備8つのポイント◆
1.猫が落ち着けるスペースを院内に用意する
2.そのスペースに猫が安心するフェロモンを充満させる
3.待合室で他のペット(特に犬)との接触を避けられるように配慮する
4.その待合室に愛猫家に向けて編集された雑誌を置く
5.そしてリラックスできる音楽を流し、刺激の少ない照明を使う
6.猫の診療に特化した日や時間帯を設定する
7.猫のキャリーを置くための(床より高い)台を用意する
8.座り心地の良い椅子と優しい色合いの壁紙を用意する

 

読者の皆様が勤務する動物病院では、上記8つのうちの何れかを、あるいは、全てを実践できるだろうか。もし実践できるならば、キャットフレンドリーな動物病院の実現に近付けるものと思われる。世界中で飼育される猫たち。犬よりも繊細な彼らに対して動物病院ができる事とは。今回紹介したポイントを参考にして、試行錯誤して頂けると幸いである。

調査に参加したオーナーの38%は、小さいトラブルであれば自然に治ると思っているとのことです。

 

参考ページ:

twitter.com/waltham_science/status/1425111402436603904


コメントする