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歯周病になりやすい犬の特徴を明らかにした研究

投稿者:武井 昭紘

歯周病は、犬に非常に良くみられる歯のトラブルで、歯周組織に発生する痛みや腐敗によって罹患犬のQOLが悪化する場合もみられる疾患である。そのため、彼らの福祉を向上させる観点から、当該疾患の発症リスク、治療、予防に関する情報をアップデートし続け、オーナーに広く啓蒙することは重要だとされているのだ。

 

そこで、イギリスの王立獣医科大学は、歯周病になりやすい犬の特徴を明らかにする統計学的研究を行った。なお、本研究には、22000匹を超える犬が参加しており、以下に示す事項が判明したという。

◆歯周病になりやすい犬の特徴◆
・最も発症リスクが高い犬種はトイプードルであった
・次いでキングチャールズスパニエルとグレイハウンドが並ぶ
・ジャーマンシェパードは最も歯周病を発症しにくい犬種であった
・中頭種と比べて短頭種は1.3倍歯周病になりやすい
・他犬種と比べてスパニエル種は1.6倍歯周病になりやすい
・加齢するにつれて歯周病を発症しやすくなる
・大型犬よりも小型犬の方が歯周病になりやすい

 

上記のことから、トイプードル、短頭種、スパニエル種を飼育する家庭では歯周病への細心の注意が必要だと言える。つまり、該当する犬種を飼育するオーナーには、歯周病を予防する方法について「積極的に」啓蒙することが望ましいだろう。よって、読者の皆様におかれては、是非とも本研究を参考にして犬の歯周病に対する予防医療を推進して頂けると幸いである。そして、多くの犬の福祉が向上していくことを願っている。

歯周病になりやすい犬種の全容につきましては、リンク先のPDFファイルをご参照下さい。

 

参考ページ:

https://www.rvc.ac.uk/Media/Default/VetCompass/210715%20Dental%20Disease%20infographic.pdf


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