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コロナ禍で増加~オーナーから威圧的な態度をとられた動物病院スタッフ~

投稿者:武井 昭紘

コロナ禍で移動や日常生活に制限を受けて「おうち時間」が増え、あるいは、仕事(収入)にも影響が出て、また「いつ感染するか分からない不安」を感じ、世界各地で暮らす人々はストレスを抱えている。そして、自分では解消できないストレスを他人にぶつけてしまうヒトが居る。もし、その他人が読者の皆様自身であったら、どう受け止めるだろうか。臨床現場で勤務中に遭遇してしまったら、どう対応するだろうか。イギリス獣医師会(BVA)が発表した事実を参考にして、少し立ち止まり考えて頂けると幸いである。

 

57%。
BVAの調査によると、過去1年の間において、臨床獣医師の10人に6人(57%)がオーナーから威圧的な(理不尽な)態度を取られたという。また、小動物臨床に限るとその割合が上がって66%、実に3人に2人が「それ」を経験しているとのことだ。これは、2019年と比べて10ポイントの増加にあたる。2019年と言えば、コロナ禍「以前」である。つまり、最近1年間のポイント上昇は、新型コロナウイルスのパンデミックに重なっているのだ。

 

マスク着用を拒否。ソーシャルディスタンスを無視。受付スタッフに不当な要求。加えて、数人の獣医師が暴れるオーナーを取り押さえ警察沙汰になることもあると、BVAは訴える。2021年現在もなお、コロナ禍は終息していない。いやむしろ、変異株の流行で事態は悪化している。皆様は、オーナーから威圧的な態度を取られたことはあるだろうか。そして、それはコロナ禍で増えているだろうか。もし増えている印象があるならば、大事が発生する前に対処方法を検討し、スタッフ全員に共有することが望ましいと思われる。

コロナ禍は続いています。世界各地の動物病院に勤務するスタッフが精神的に、または、身体的に傷つかないことを願います。

 

参考ページ:

https://www.bva.co.uk/news-and-blog/news-article/vets-report-steep-increase-in-levels-of-intimidation-as-owners-vent-frustrations-during-covid-19/


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