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<コラム>コロナ禍だからこそ考えたい「犬猫のストレスと飼育」

投稿者:AsaT

先日、読売新聞に犬猫のストレスに関する記事が載っていました。ペットがコロナ禍で一緒にいる環境に馴れてしまい、飼い主が外出すると不安から異常に興奮し、ストレスを発症するという記事でした。

ストレスから物を壊す、吠え続ける、ずっと動き回るなどの行動がみられるようになります。体調にも変化があり、下痢、嘔吐、食欲不振など「分離不安」の症状も起こします。自分の尻尾を追ってグルグル回り噛み切ったり、腹などをなめ続け脱毛がみられる「常同障害」はストレスが関係しています。

2019年には獣医行動診療科認定医で、「動物の精神科医」として知られている、奥田順之獣医師が院長を務める、ぎふ動物行動クリニックでは、日本初となる犬猫のストレス診療科をスタートしています。

記事では、離れることも「しつけ」の中で訓練し、「常同障害」を防ぐ工夫も必要である事を訴えていました。とくに、初めて犬猫ペットを飼う人にとって「飼育」は未知の世界ですが、犬猫も人間同様にストレスを感じ、体調異変や異常行動を起こす事を知っておくべきだと感じました。

日本ではペットショップでの売買(物の交換)から始まり、購入後は「飼い主の責任」というシステムで、「飼育の方法」を教えるところがありません。ヨーロッパでは販売の仕方を規制しており、直接やり取りをして購入することになっています。

日本ではペットの一生に責任を持ち、命を預かる意識が高い人ばかりでは残念ながらありません。現在のシステムに落とし穴があるからです。新聞記事の末文には「ペットも心が不安定になり、心身に支障をきたすことを知らない飼い主は少なくない。」という言葉で締めくくられていました。

東京の保護猫カフェ「ネコリパブリック東京」の担当者によると、コロナ禍で在宅時間が増えたことで里親になりたいという人が、コロナ前に比べ4~5倍増えているそうです。「里親希望者が増えた事はいいが、動物の生態を知らず勢いだけで飼うと、”思ったのと違う”と思う方がいる。」と話し、飼育の知識もなく飼い始める人も多く、その結果、ペットの「飼育放棄」が増加、行き場のなくなった犬猫が多くなっているそうです。

また、NPO法人「犬猫みなしご救援隊」では、ペットショップで犬を描い始めた人の中には1年以内で飼育放棄する人がおり、1歳前後の犬の保護件数が増えていると言います。ほかにも、飼い主の高齢化で最後までペットの面倒を見ることが出来ないケースや、飼い主が認知症になり1年以上ケアされなかったペットもいたそうです。

現在、ペット用品は豊富で目を引くような物が多く売られていますが、飼い主自身が世話をしていくことが前提です。ペットと飼い主が幸せに暮らすとはどういうことか、命を預かる私たちに何ができるのか、コロナ禍の今だからこそ、しっかりと考える必要があるのではないでしょうか。


<コラム>コロナ禍だからこそ考えたい「犬猫のストレスと飼育」(写真:photoAC)

 

 

 


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