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猫の腎臓病“治療薬”の開発に1カ月で総額1億5500万円の寄付

投稿者:AsaT

高齢の猫の死因の第1である「腎臓病」。発症の原因を解明し、治療薬を開発している東京大学の教授の研究に対し、多くの人から寄付が寄せられている。

記事によると、開発したのは東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センターの宮崎徹教授(59)。獣医師ではなく人間の病気を治す医者だ。宮崎教授は20年前に、血液中に存在する「AIM」というタンパク質を発見。その過程でAIMが腎臓の働きを改善することを研究で突き止めたという。

宮崎教授は「人間以外の動物もAIMを持っているのだろうか」と考え、イヌやネコの血液を調べてみると、ネコだけAIMを持っていない事を知った。(正確には持っているが、他の動物のように機能していない)

ある時、獣医師から「ネコのほとんどは年を取ると腎臓病になる」と聞き、きちんと働くAIMを補充(注射)してあげれば、腎臓病の発症や増悪を抑えることができるはず、と思ったことが開発のきっかけになったという。

腎臓病は尿の通り道に死んだ細胞が溜まっていき、最終的に「トイレの排水管が詰まる」ように腎臓が壊れるという病気。AIMはそのトイレの詰まりを解消してくれるような働きをしてくれる。

猫の寿命を大きく延ばす可能性のある治療薬の開発に取り組んでいたが、昨年の春先の段階で、治験薬の製造のための開発をほぼ終了するところまできていたが、新型コロナウイルスの影響で研究費不足に陥り、開発は中断を余儀なくされた。

しかし、こうした経緯を伝える記事が7月11日にインターネット上に配信されると、研究を支援しようと東京大学への寄付が急増。東京大学によると、8月3日の午前8時現在で、1万2600件の寄付があり、総額は1億5500万円に達した。

猫にこの治療薬を投与すると、猫の平均寿命の2倍、最長で30歳くらいまで生きるようになると考えられている。新たな治療薬の完成に注目していきたい。

AIMの研究を応援してくださる皆様の熱意と期待が大きいことを実感し、大変感謝するとともに、研究を完成させなくてはならないという責任を改めて強く感じました。


https://www.fnn.jp/articles/-/220387

<2021/08/07  FNNプライムオンライン>

https://www.jiji.com/jc/article?k=2021070800906&g=soc

<2021/07/11  JIJI.COM>

猫の腎臓病“治療薬”の開発に1カ月で総額1億5500万円の寄付(写真と記事は関係ありません)

 

 

 


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