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愛犬が「熱に関連した疾患」に陥らないための予防対策

投稿者:武井 昭紘

今年も熱い夏を迎えて、ヒトもペットも熱中症に気を付ける時期に差し掛かった。そこで、愛犬が「熱に関連した疾患(heat-related illness、HRI)」に陥らないためにも、その予防対策を本稿にて紹介したい。なお、同対策は、大規模症例データベースを解析するVetCompassと短頭種の福祉に取り組むBrachycephalic Working Group (BWG)の共同声明の形で発表されているものを基にしている。具体的には、以下の通りである。

 

◆HRIに陥らないための予防対策◆
1.HRIが疑われる犬に対する早期のケアを心得る(運動を辞める、車外に出る、日陰に移動する、風や水で冷却する)
2.短頭種の体重を適正に保つ(中頭種と比べてリスクは2倍、21℃を超えるとHRIになるとも言われる)
3.The VetCompass Clinical Grading Tool for Heat-Related Illness in Dogsで素早く状況を判断する
4.日が高い時間帯に散歩をしない
5.夏場は飲み水用および冷却用として真水を用意する
6.ウォーキングハーネスを使用する(首輪とリードでは気道を圧迫し呼吸状態に影響を与える)
7.体調不良(脱水、発熱、心不全、異常な呼吸など)を訴える犬には運動をさせない
8.車の中に犬を置いて離れない(少なくともウィンドウを開ける)
9.日が高い時間帯に犬を連れて(車などで)移動をしない

 

ヒトの話にはなるが、熱中症で搬送される患者に関するニュースが毎日のように繰り返される。これを聞くにつけ、その傍らで過ごしているかも知れない犬たちの体調が心配になる。熱中症を含めたHRIは、最悪の場合、亡くなる病気だ。後悔をしても失った命は戻らない。ならば、予防対策を講じることが「愛犬の健康や命を守る」ために重要だと言えるだろう。皆様は、今回紹介した予防対策のいくつを実践しているだろうか。一つも実践していないという方は、まず一つ行動に移して頂けると幸いである。

犬のHRIの約74%は、運動中に起きているとのことです。

 

参考ページ:

http://www.ukbwg.org.uk/wp-content/uploads/2021/06/210618-BWG-HRI-infographic_updated.pdf


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