術前のシュミレーション、脳生検の位置確認、欠損した頭蓋骨の補填、義肢。近年、3Dプリンタで作製した「印刷物」が動物医療に応用されるようになってきた。その精密さと、それによって齎される恩恵には驚かされるばかりだ。そして、この度、更なる3Dプリンタの活躍が発表された。
なお、発表を行ったアーカンソー大学によると、膀胱結石に対する外科手術を効率化するべく、ある物が印刷されたという。それは、外科用スプーンだ。膀胱内の小さい結石を摘出する際に「取り残し」を常に心配せざるを得ない従来の外科用スプーンの欠点を解決するように、その形状は工学的に考案されたらしい。加えて、現在、地元アーカンソー州の動物病院にて有用性が検証されているとのことである。
『効率よく結石が掬えれば、麻酔時間が減って動物への負担が軽減されるとともに、再発のリスクが減って追加の経済的負担も軽減される。』
同大学は、このように述べる。果たして、3Dプリンタ(で作成されたスプーン)は、獣医師・動物・オーナーにとって効率の良い外科手術を実現する原動力となるか。今回紹介した検証が成果を上げることを祈るとともに、それによって救われる命がより一層増えることを願っている。
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