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ケネルクラブが承認した白質脳脊髄症に対する遺伝子検査

投稿者:武井 昭紘

白質脳脊髄症(leukoencephalomyelopathy、LEMP)は、ロットワイラーおよびレオンベルガーで報告されている神経系疾患(常染色体劣性遺伝)で、罹患犬はナックリングや跛行に加えて、前肢の測定過大を呈することが知られている。また、当該疾患は痛みを発生させないものの進行性で、発症から数ヶ月以内に歩行異常が重度になっていく特徴を有している。つまり、LEMPを発症した犬のQOLは大幅に低下するのだ。

そこで、イギリスのケネルクラブは、病気に苦しむ犬とオーナーを減らすべく、ロットワイラーを登録する際に遺伝子検査の結果(クリア、キャリア、アフェクテッド)を求めることを決定した。

 

このLEMPは、1~4歳と若いロットワイラーに起きる。

ひと度発症すれば、残された寿命を動けないままに過ごすため、罹患犬とオーナーの自由を長い間奪ってしまう。そして、ここに「当該疾患に対する治療法が存在しない」という厳しい現実が伸し掛かる。そのストレス・苦痛たるや如何ばかりか。想像を絶するものだと推察する。果たして、今回紹介したケネルクラブの動向が、楽しく走り回れるロットワイラーを増やすキッカケになるか。注視していきたい。

白質脳脊髄症の診断はMRI検査によって下され、末梢神経や筋肉の生検では有益な情報は得られないとのことです。

 

参考ページ:

https://mrcvs.co.uk/en/news/20427/New-DNA-testing-scheme-for-inherited-condition-in-Rottweilers


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