メキシコ湾に面するルイジアナ州。平年は氷点下までには至らないが、今年の冬は寒かったようだ。そのため、小屋で過ごす愛犬の体調を想い、あるオーナーがヒーターを用意した。結果、小屋が火事になり、ビットブルの血を引く若い犬は皮膚の70%以上に熱傷を負った。命に関わる重症である。
結論として、本症例は助かっている。ニューオーリンズの小児科病院に勤める医師の提案した治療によって。それは、「ReCell治療」と呼ばれているものであったとのこと。具体的には、患者から採取した皮膚組織を酵素で処理して個々の細胞に分離した懸濁液を作成し、その液を患部に噴霧するといった手法だ。通常の皮膚移植よりも治癒するまでの時間が短いという。
『皮膚移植は選択できなかった。』
広範囲の熱傷を負った犬の診察を担当した獣医師は、こうのように述べる。そして、それを救ったのがReCell治療である。果たして、同治療法は、重度の熱傷で世界各地の救急外来を訪れる多くの犬を救う希望の光になるだろうか。今後、その有用性を検証する研究が計画され、成果が報告されることを期待している。
参考ページ:
https://www.avma.org/javma-news/2021-05-01/burned-dog-treated-spray-skin-cells