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犬の体脂肪率とSDMAの変動との関連性を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

ある研究によると、腎機能(糸球体濾過率)の低下を早期に発見するマーカー、対称ジメチルアルギニン(SDMA)の測定値は、その個体が持つ筋肉量(体格)に影響されるようで、設定された基準値を上回る個体が存在していると報告されている。つまり、個体側の要因によって、適応するべきSDMAの基準値は異なっている可能性があると言えるのだ。では、その要因とは何であろうか。それを突き止めようとした研究が行われた。

なお、研究を発表したベルギーのゲント大学だ。同大学は、体脂肪率とSDMAの関係性に注目した。具体的には、ビーグル16匹を2群に分けて、①理想的な体重のグループと②理想体重から増えていくグループとし、各群において、BCS、体脂肪率、糸球体濾過率、SDMA、CREを測定し、両者を比較したとのことである。すると、SDMAは、CREと正の、体脂肪率と負の相関関係にあることが判明したのだが、①と②のSDMAには有意差が認められなかったという。

上記のことから、体脂肪率はSDMAの測定値に影響を与えることが窺えるが、その臨床的な意義は少ないと言える。果たして、この測定値を左右する個体側の要因は、報告が上がっているもの以外にまだ存在しているのか。今後、想定し得る要因を一つひとつ検証していく研究が進むことに期待している。

②では、6週間以上に渡って、体重が増えるように給餌量を調整したとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33596230/


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