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猫についての研究 「思い出忘れない」「物理法則を知っている?」

投稿者:AsaT

一般社団法人ペットフード協会(東京)が調査を開始した1994年から、国内飼育数は猫より犬が多かったが、2017年に逆転。猫が犬の飼育数を上回っています。コロナ禍でペットを迎える人が増え、昨年、新たに飼われた猫は前年比16%増の約48万匹でした。

猫を家族に迎える人が増えるなか、猫に関して興味深い記事が発表されています。

<猫は思い出を忘れない>
麻布大の高木佐保・特別研究員(30)(比較認知科学)の研究によると、 皿4枚を用意し、2枚に餌、1枚にヘアピンを置き、1枚は空にして、猫に1枚分の餌を食べさせたます。一度猫を連れ出し、全て空の皿に交換して連れ戻すと、食べ損ねた餌があった場所に置いた皿付近にとどまる猫が相次ぎました。

高木さんは「どこに何があったのかを覚えている「エピソード記憶」、思い出を持っている可能性がある」と語っています。

<猫は物理法則を知っている?>
箱の中にスピーカーを仕込み、「ガラガラ」という音を聞かせながら箱を振ってひっくり返す実験を行ったところ、中からおもちゃが出てくる場合と出てこない場合の反応に違いが見られた。何も出てこない時は箱をじっと見つめているだけだったという。

「中に何か入っているはず」と推理していると考えられ、学術誌で2016年に発表したところ、「猫は物理法則を知っている」と驚きをもって伝えられています。

<猫の学習能力>
猫は「これをすると良いことがある」という経験を繰り返すことで、自分から積極的にそれをするようになり、「これをすると嫌なことがある」という経験を繰り返すことで、積極的にそれをしないようになります。この経験を繰り返すことで猫にもしつけを行うことができるため、「学習能力」には問題がないとされています。

<対象の永続性を考えられる>
「対象の永続性」は今まで見えていた物が見えない状態になっても、その物自体はそこにあり続けると認識できる能力のことです。猫が捕まえようとしていたネズミが穴に逃げ込んだ場合、対象の永続性がなければそのネズミを捕まえることはできません。

<犬と違う社会的認知能力>
「特定の人に愛着を持つ」「特定の言葉を識別し理解ができる」どちらも犬・猫共通の社会的認知能力とされています。犬との違いは「犬は教えるという行動はしないが、猫は子猫に狩りの仕方を教える」ということが分かっています。

ただ、猫の研究は難しいとされています。知らない人に囲まれると、「借りてきた猫」状態になり実験が進まないことも多いようです。

犬より気持ちが分かりにくいとされる猫ですが、研究結果から応用し、猫とのコミュニケーションやしつけに役立てることができるかもしれません。癖や個性を見極め、飼い主と猫にとって最良な暮らしが出来れば最高の幸せですね。


https://www.yomiuri.co.jp/science/20210317-OYT1T50249/
<2021/03/18 読売新聞オンライン>

https://nekochan.jp/column/article/17107
<2021/02/15 ねこちゃんホンポ>

猫についての研究 「思い出忘れない」「物理法則を知っている?」(写真:photoAC)

 

 

 

 

 

 

 


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