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米動物園 大型類人猿に初めてコロナワクチンを接種

投稿者:AsaT

米国の動物園で大型類人猿が初めてコロナワクチンを接種を受けた。同動物園では今年1月、ゴリラがコロナウイルスに感染したことが確認されている。

米サンディエゴ動物園は犬猫用に開発された新型コロナウイルスのワクチンを大型類人猿に実験的に接種。オランウータン4頭とボノボ5頭に動物用医薬品を製造しているゾエティスが開発したワクチンを2回接種した。

記事によると、サンディエゴ動物園サファリパークに暮らすゴリラたちが今年の1月に、大型類人猿として初めて新型コロナウイルスに感染したことが接種のきっかけになったという。コロナの影響で8頭の群れを率いる49歳のゴリラ(ウィンストン)が心臓病と肺炎にかかったが、回復に向かっており、他に陽性が判明したゴリラも現在は回復している。

世界的にはトラ、ライオン、ミンク、ユキヒョウ、ピューマ、フェレット、イヌ、飼い猫の感染が確認されていて、科学者たちは特に、大型類人猿は家族でグループを形成するため、新型コロナウイルスに感染しやすいという事実に懸念を抱いているそうだ。

2020年2月に香港でイヌの感染が初めて確認された後、動物用医薬品企業のゾエティスはイヌ、ネコ用ワクチンの開発に着手した。10月にはイヌとネコの両方に安全で効果的だと確信。

米サンディエゴ動物園ワイルドライフ・アライアンスで保全、野生動物衛生の最高責任者を務めるナディーヌ・ランバースキー氏は、ワクチンがイヌとネコでしかテストされていなかったものの、リスクを取る価値はあるとランバースキー氏は判断し摂取に至った。

9頭は副反応もなく元気で、オランウータン1頭とボノボ1頭から血液を採取しており、抗体がつくられたかどうかが近々わかる予定とのこと。抗体の存在はワクチンが効いているという指標になる。

ランバースキー氏もゾエティスのマヘシュ・クマール氏も、1つの種のために開発、テストされたワクチンを別の種に使うことはいたって普通だと話している。ゾエティスのデータによれば、イヌとネコの臨床試験では、すべての個体がワクチンに対して有意な免疫反応を示した。ただし、感染を防ぐのに十分かどうかはまだわかっていない。さらなる研究が必要だとクマール氏は述べている。

動物園では今後、推奨されているように感染後60~90日の期間を待ってから、サファリパークのゴリラにもワクチン接種を行う予定だ。その後、大型ネコ科動物でも検討したいとランバースキー氏は話している。

 


https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/21/030500109/

<2021/03/06 ナショナル ジオグラフィック日本版>

https://www.bbc.com/japanese/56289099
<2021/03/05 BBCNEWS>

米動物園 大型類人猿に初めてコロナワクチンを接種(写真:photoAC)

 

 

 


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