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ドイツの猫における新型コロナウイルスに対する抗体の陽性率を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

3月31日現在。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染したヒトは、127,877,462名。
死者は、 2,796,561名。
ワクチンが普及し始めたとはいえ、各国の医療逼迫状況を考慮すると、いまだ油断はできない。また、変異ウイルスが続々と出現していることも心配だ。そして、このようなパンデミックの下で、「猫もSARS-CoV-2に感染する」ことを証明する報告も中国(華中農業大学ら)から上がってきている。パンデミックは、感染症の世界的流行の意。ならば、実際のところ、中国以外の各国において猫の感染を証明する研究は進んでいるのだろうか。

 

そのような背景の中、ドイツのウイルス研究所は、国内で飼育される猫を対象にして、SARS-CoV-2に対する抗体の保有率を調べる研究を行った。なお、同研究では、2020年4月〜9月の6ヶ月間において採取された血清サンプル900件以上に含まれる抗体をELISAまたは免疫蛍光検査によって検出している。すると、約0.7%(6件)で陽性の判定が下されたという。

上記のことから、中国のそれと比べると低いものの、ドイツでも猫がSARS-CoV-2に感染していたことが示されたものと考えられる。果たして、このウイルスの感染拡大が起きた、他の国や地域では、猫の抗体保有率はどれ程なのだろうか。そして、その割合がヒトの感染状況を左右する力を持ち合わせていたのか。今後、更なる研究で明らかになることを期待している。

本研究で検出された抗体には、猫コロナウイルスに対する抗体との交差反応性が認められなかったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33348613/


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