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世界で初めて犬猫から検出された新型コロナウイルスの変異株

投稿者:武井 昭紘

1億人以上の感染者、260万人以上の死者を出した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、現在、世界各地で変異を起こしている。と同時に、この変異株は強い感染力伴って、以前の株に置き換わるように広がりつつあるのだ。そこで、心配事が一つ、頭に浮かぶ。多くの感染事例や疫学的調査から、SARS-CoV-2は犬猫に感染することが明白である。ならば、変異したSARS-CoV-2も同じく、犬猫に感染するのではないか。そして、そうだと仮定するなら、彼らもCOVID-19を発症するリスクを抱えているのではないだろうか—–。

 

2021年3月15日、この心配事を裏付ける発表がTexas A&M大学より齎された。それによると、2月中旬にCOVID-19と診断されたオーナー(テキサス州在住)が飼育する犬と猫から、イギリス由来の変異株を示す遺伝子配列が検出されたとのことである。また、オーナーの証言によれば、犬猫たちは数週間くしゃみをしていた時期があり、その後、回復したという。

上記のことから、続々と出現する変異株も、犬猫に感染する可能性があると推察できる。果たして、変異株の感染拡大が起きている今、呼吸器症状を呈するペットたちのうち、どれ程の症例が変異株に感染しているのか。One Health(ヒトと動物の健康は一繋がりで影響し合う)という概念の基、「みんな」の健康ひいては命を守るべく、疫学的調査が更に進められることを願っている。

犬猫のサンプルは、オーナーの診断日から2日以内に採取されたとのことです。

 

参考ページ:

today.tamu.edu/2021/03/15/texas-am-research-uncovers-first-known-covid-19-uk-variant-in-animals/


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